空を飛ぶ55歳!ちょー気持ちいいスカイダイビング、やっぱり地球は丸かった

体験
2024年3月16日、埼玉上空を飛びました

大空を飛んできました

もしこのまま死んだら、きっと、やり残したことの1つに挙げたに違いありません。

スカイダイビング

長年の思いをようやく実現することができました。

大空、飛んできました!!

何度、この動画を見返しても、気持ちいい~

高度1万2500フィート(約3800メートル)上空から、時速280キロで落ちていく感触、息苦しいほどの風圧、くっきりと広がる大地、遠くに見える稜線、川のうねり…

自分にとって貴重で愛おしい体験を、メモとして、少し記しておきます。

東京ダイビングクラブ

3月の小春日和の日、東京スカイダイビングクラブへ。「東京」とはいっても、埼玉県の比企郡川島町の河川敷で、我が家から車で1時間のところです。朝、10時に集合でした。

会場は、プレハブが5棟ぐらい並んでいるだけで、体験の人やスクール生らは屋外で思い思いの場所で待機。料金を払い、手続きを済ました後、もっと手厚くもてなされるのかと思いきや、冒険野郎たちの集まりですからね、そんなホスピタリティーはありません。

また、上下つなぎの専用服を着るのかと思っていましたが、現在は中止とのことで、私服姿で飛びます。私は汚れてもいい普段着で行きましたが、ジャージーだったり、トレーナーだったり、夏は半袖OKと自由です。

貴重品や身の回りのものはロッカーへ。ポケットの中は空にして時計やアクセサリーも外します。上空から何か降ってきたら、下にいる人は困りますもんね。

服装で唯一指定があったのは靴で「ハイカットのスニーカー、紐で縛れるもの」。途中で脱げないようにということです。

私は前夜、仕事帰りにコンバースの黒のハイカットを購入しました(この後、履く可能性は非常に少ないけれど)。うっかり普通のスニーカーで来てしまったら、その辺に並べてある靴に履き替えなければいけません。それらは何年も風雨にさらされたような状態だったので、自前で揃えてよかったなと思ったのでした。

トイレまで自転車で

待機時間は約30分。この間、「一応トイレに行っておくか」とトイレの場所を係の人に聞くと、堤の向こう側にあるホンダエアポートの建物のトイレを借りろと言います。徒歩では往復20分ぐらいかかる可能性があるので、そこに停めてある自転車を借りてダッシュ。その自転車のサドルが高く、ハンドルも直線という冒険野郎向けで、足の短い私はつま先で漕ぐことに…。

そんなこんなで徐々に戦闘モードに入り、アドレナリンを出し始めていったのです。

しばらくすると、上空には、前の組の方々が飛んでいるパラシュートの数々が見えてきました。「私のパラシュートは何色になるのかな、できたらグレーとかではなく、オレンジやカラフルなのがいいな~」なんて思っていたら、ほどなく名前を呼ばれました。

インストラクターとカメラマン

タンデムで一緒に飛んでくれるのは、ダイブ歴8800回以上というベテランインストラクター。年齢的には同じくらいの方で、真っ黒に日焼けして体格は大きくないものの、身体は引き締まり体幹がしっかりしてそうです。

この方に命を預け、ハンドカメラで動画を撮影してもらいます。

2台GoProをつけたヘルメットをかぶり、動画と静止画を撮影してくれるカメラマンは「今日3本目!」という気さくな方。「今日は富士山が見えるよ。まあ、富士山は地上からも見えるけど、上から見えると気持ちいいよ」「時々目をつぶっちゃう人がいるんだけど、もったいないからしっかり見てね」などと、ビューポイントや楽しみ方をレクチャーしてくれました。

事前レクチャーはこれだけ?

想像では飛ぶ前に、上空での姿勢をしっかりレクチャーされるんだろうと思っていましたが、実際は超簡単な説明のみでした。

①飛び出すときは思いっきり海老反り
②その後、両脚の膝を曲げて後ろに反る
③合図があったら両手を広げる
④着地のときは、先にインストラクターが足を着くので、太ももを抱えて足を上げておく

え、これだけ?

もはや、聞き返したらいけない雰囲気です。

上空まで約20分、1万2500フィート

その後、ワゴン車で離陸場所まで向かい、最大19人乗りのスカイダイビング専用機に乗り込みます。

運転席と助手席以外座席がない専用セスナ機に、後ろ向きで地べたに座ります。足を広げ、自分の股の間に前の人が入る格好で、上空まで約20分間、じっと待機するのです。

小さな窓から地上が小さくなっていくのが見えます。

やがて、空しか見えなくなりました。

上空1万2500フィート(約3800メートル)まで上がると、ゴーサイン。扉が開いて、まずはスクール生が1人ずつ飛んでいきます。

次に私たち体験組が6組飛び出します。

上空に飛び出す体勢は、立つのと座るのと2パターンありますが、「立つ方が格好いいよ」というインストラクターの一言で立つ方を選びました。

直前にインストラクターから、

怖いからといって、僕にしがみついたり、足を絡ませたりすることは絶対にしないでください

と注意勧告。

飛びたくてわざわざお金を払って来ているのに、急に怖くなる人もいるんだな、と軽く思ったものの、すでに目の前には小さくなった地上の景色が広がり、ビュービュー風が吹いています。

思考が停止。何も考えられなくなったので恐怖心もありません。

高度3800メートルから見た地上

いよいよそのとき…すげ~!

私の番になりました。この先どうなるのか、何が待ち受けているのか、もちろん、飛び出すタイミングなんてわかりません。

なんとなく、背中から1,2,3…と動く感触があり、気付いたときには背中から後方に1回転。

飛び出しは背中から1回転

次の瞬間、ぱっと視野が開け、私をたたく合図を受けて両手を広げました。

うわーーーーー!!
すげーーーーー!!

空中遊泳

気持ちよーーーい!楽し~!
何なんでしょ、この自由な感じ。
地球を抱きしめているような気分です。

3月の晴れた埼玉上空は、田んぼと畑と川、くすんだ緑と茶色、家が散見し、車の粒が動いています。

ただ、思った以上に風圧が強く、呼吸が苦しい。時速280キロで落ちるってこういうことか…と思いながら心肺機能が高くない私は、口を開いて息をしました。

肌に風圧と風速を感じて、

空ってこんなに風が強いのか、だったらあんな暢気にホウキに乗るなんて難しいよな、むしろ、ハリー・ポッターの「クィディッチ」の世界だよな、と思ったり

雨だったら催行中止なので、晴れて良かった。自分が雨女というのはやっぱり気のせいだったのかな、と思ったり

視界の先はなんとなく丸く、「やっぱり地球は丸い」ことを実感。天気が良かった分霞んでしまい、「見えるよ」と言われていた富士山は見えませんでしたが、しっかりと目を開いて埼玉を、関東平野をぐるっと見渡してきました。

高い山も谷もなく、視界全体が平野。関東平野って広い!!

すべての細胞を震わせて楽しんだ

「ずっと続けば良い」と思っていた空中直滑降も終了。パラシュートがバッと開いて一旦上空に引き戻され、その後はゆったりとした滑空に変わりました。

あとで動画を見返すと、ダイビング時間は1分程度。パラシュートが開いてからは3~4分と約5分間の空中遊泳でした。ただ、その短い時間に五感だけでなく、すべての細胞を震わせて、今ここにいることを楽しめるだけ楽しんだのでした。

最後はパラシュートでゆっくり下りてきます

インストラクターからは何度も「気分は悪くないか」と聞かれましたが、酔うこともなく終了。私は遊園地などの絶叫マシンは好きではないし、スリル好きでもありません。ただ、空を飛びたかった。それに尽きます。

「保険に入れ。無駄死にはするな」

20代の頃からずっと挑戦したかったスカイダイビング。時々、家族を誘ってみたものの、賛同を得ることができず、この年齢まで来てしまいました。自宅から近い東京スカイダイビングクラブは人気で、予約がすぐに埋まってしまいます。なかなか日程が合わなかったのだけれど、偶然、3カ月前にうまく予約でき、こっそり温めていました。

1週間ほど前に、「飛びに行く」と夫に伝えたところ、ぶすっとした表情で「保険に入れ。無駄死にはするな、爪痕を残せ」という意味不明な言葉を吐かれました(笑)。

生きて帰ると夫は喜び、かなり詳細に情報を聞き出しては、まるで自分が体験したかのようにほうぼうへ動画を拡散(私が知らない、私を知らない人にまで)。1番喜んでいたのは夫。これこそ、疑似体験ですね。

多くの知人や友人にスカイダイビングの報告をしましたが、私の周りで実際に飛んだことのある人は我が息子だけ。あんなに予約をとるのが難しかったのに、私の周りでは人気がイマイチなんだということも分かりました。

我が家でも、私と息子、夫と娘で意見が真っ二つ。息子とはやっぱりタイプが似ているんだと認識した次第です。

おすすめはダブルビデオ

さて、東京スカイダイビングクラブはビデオを撮るかどうかで値段が4段階に分かれていますが、せっかくの機会、私は一番高額のコースをお願いしました。カメラマンの動画、静止画、さらにインストラクターのハンドカメラのフルセットです。

終わった後は、MicroSDカードをそのまま渡されます。現地で動画や静止画を確認し、カードを持ち帰れます。今はまだ編集できていませんが、いつかそれらを編集したいと思っています。

このMicroSDカードは小さくて取り扱いが繊細です。私と同じ組で飛んだ女性は、インストラクターがカメラから取り出す際に爪を折ってしまい、映像がおしゃかに。「こんな小さいんだもん、仕方ないよね」と穏やかに対応していて大人だな~と思いましたが、返金処理をしてもらっていました。

わずか半日で非日常体験できるスカイダイビング。次回はどこで飛ぼうかな。また楽しみが増えました。皆さんも体験、いかがですか。

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