52年ぶりに「指定野菜」に追加、ブロッコリーってどんな野菜?

指定野菜となるブロッコリー 食べる
2026年から指定野菜となるブロッコリー

今年1月、ブロッコリーが「指定野菜」に追加されることが決まったという報道がありました。指定野菜?? 初めて聞く人も多いと思いますが、一体どういったものでしょうか。

「指定野菜」とは

これは「国民にとって重要な野菜」ということで、野菜の中で特に消費量の多いものを安定供給できるよう、農林水産省が定めたものです。ブロッコリーは2026年度から適用されます。

これまでの指定野菜は14品目

これまではキャベツ、レタス、玉ねぎ、ほうれん草、ネギ、白菜、キュウリ、ナス、トマト、ピーマン、大根、ニンジン、里芋、ジャガイモ(ばれいしょ)の14品目で、新規追加は1974年のジャガイモ以来、半世紀ぶりのことだそうです。

ここに挙げた野菜はどれも日常に使っているものばかりで、ほぼ1年中、スーパーなどで売られているものですよね。「指定野菜」とはそういうことか、と改めて思う次第です。

さて、新規指定野菜のブロッコリーは緑黄色野菜です。栄養価が高いことに加え、色が鮮やかで味にクセがないとして「野菜嫌い」の子どもたちにも比較的人気がある野菜です。様々な料理とも合うので、出荷量はここ10年間で約3割も増加しているんですね。

「指定産地」で生産者も守られる

指定野菜となると、生産者も守られることになります。

「野菜生産出荷安定法」(1966年)における基準を満たす産地は「指定産地」とされ、農林水産省が需給ガイドラインを策定します。出荷団体や生産者はそれに沿って供給計画を作成し、安定供給に努めていくことになります。天候不順などで価格が下がってしまった際には、生産者に補助金が支払われる仕組みにもなっているので安心して栽培に励むことができるのです。

ブロッコリーの主な産地と旬

ブロッコリーの主な産地は北海道、愛知、埼玉ですが、全国で栽培されています。1年を通して売られていますが、出盛り期は11月から3月ぐらいまでで、旬の時期はβカロテンやビタミンCが特に豊富になります。

ブロッコリーはケールの仲間

キャベツや青汁の材料として知られるケールなどの仲間で、地中海沿岸が原産といわれています。花のつぼみの集合体であるため「花野菜」と呼ばれますが、このような形になったのはイタリア半島での品種改良によるものと言われています。

私が子どもの頃はブロッコリーより、同じくケールから分化したアブラナ科に属するカリフラワーの方が一般的でした。形状も似ているため、最初は「緑のカリフラワー」のような感覚でしたが、1980年代の健康ブームで栄養価の高さが注目され、一気にメジャー野菜となっていきました。

ブロッコリーの栄養価

ブロッコリーは特にビタミンA、C、E、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル類が多いのが特長の「緑黄色野菜の王様」的存在です。旬の時期はβカロテンやビタミンCなどの栄養価が特に高くなります。これらの栄養素は免疫力アップに役立ち、風邪予防、花粉症対策にも役立ちます。

また、ビタミンA、C、Eは「ビタミンエース(ACE)」と呼ばれています。戦隊レンジャーのような名前ですが、抗酸化3大ビタミンで、同時に摂取すると吸収率がアップし、互いに良い作用をもたらすと言われています。これらが含まれているブロッコリーは、抗酸化力も最強なわけですね。

ブロッコリーは脳のパワーをアップさせる食事、脳に重要な栄養素を含む食品「ブレインフード」の1つでもあります。2018年にアメリカで出版され、話題になった書籍「Brain Food: The Surprising Science of Eating for Cognitive Power(和訳:ブレインフード:認知能力に関する食事の驚くべき科学)」で紹介されたり、その他の栄養士も多く摂取することをすすめています。アスリートの食事としても、様々なレシピに使われています。

ブロッコリーの調理のポイント

そんなブロッコリーの栄養価は最大限にとりたいところ、調理中の損失はできるだけ少なくしたいですよね。ビタミンCなどの水溶性ビタミンの流出を防ぐためには、水の量を少なくした蒸し煮や電子レンジでの「レンチン」調理がおすすめです。

ブロッコリーの茎も栄養価が高いので、捨てずに使いましょう。周辺の硬い繊維を果物の皮をむくように外し、中の柔らかい部分も食べてください。ゆで汁にもおいしい出汁が出ているので、蒸し煮にした残りの水分も余すことなく使いましょう。

参考:
アスレシピ(ブロッコリーのコラム・レシピ)
https://athleterecipe.com/
https://athleterecipe.com/recipe/foodstuff/broccoli

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