ハーブとは
ハーブは生活に役立つ香りのある植物として、一般的には料理や芳香などに使われます。すぐに思い浮かぶミントやバジルだけでなく、シソや山椒、ゆずなどもハーブのくくりで、その数は1万を超えるといわれています。
メディカルハーブとは
その中で、有効成分が科学的に証明されている薬用植物のことを「メディカルハーブ」といいます。健康や美容を目的として成分が活用されるものとも言いましょうか。抗酸化作用、免疫力アップ、抗菌・抗ウイルス作用、薬理作用、栄養素の補給という5つの働きがあり、感染症、肺炎、認知症などの治療にも効果があると期待されているようです。
日本にもメディカルハーブの協会や団体が複数あります。アメリカでは約650種類の安全性にランクをつけており、ドイツでも、通常のハーブとメディカルハーブを区別して、医薬品としても活用しているといいます。
オリジナルハーブティー
さて先日、メディカルハーブを学び、自身で教室「Mother’s Herbal Life」を開催しているYumikoさんからとても飲みやすく、おいしいハーブティーをいただきました。
そもそも私は、ハーブには詳しくありません。ハーブティーも自分で購入することはなく、いただきものばかり。「どこどこの何々」とか立派なものをいただいても、何となく消費するばかりで、今ひとつピンと来なかったのですが、この手作りハーブティーは不思議とゴクゴク飲めたのです。
そんなことから、「私もオリジナルハーブティーを作ってみたい」と思い立ち、教室をたずねたのです。
高尾の教室「Mother’s Herbal Life」
場所は八王子市高尾。高尾山にも登ったことがない私が初めて降り立つ駅はレトロで趣があり、都心よりも気温が2〜3℃低く、空気が澄んでいる気がします。
そこから歩くこと約20分。陵南公園の北、昭和天皇・皇后が眠る武蔵野陵の近くにある八王子コミュニティ施設ティコシップの一角に「Mother’s Herbal Life」はありました。閑静なモダン建築のコミュニティハウスです。ハーブを育て、飲食に活用するだけでなく、化粧品やヘアオイルまで手作りしているという、ナチュラルで美しいYumikoさんが庭先で待っていてくれました。
ハーブティー作りのポイント
90分間のマンツーマンレッスンではまず、オリジナルハーブティー作りについての目的を、ポイントごとに教えてくれます。
自分の好みや体調にあったハーブを選ぶこと、身体に入れるものですからできるだけオーガニックや無農薬栽培のものを選ぶこと、ハーブの特徴や味わいや香りなどを細かく説明してくれながら配分をアドバイスしてくれます。
ハーブは「何となく身体に良いもの」と捉えていましたが、自分の体調や使い方によっては良くないこともあるんだそうです。利尿作用もあるので、特に冬場は夜遅くに飲むのも避けた方が良いとのこと。
また、同じブレンドを飲み続けるよりも、そのときの調子に合わせ、ハーブの種類を変えて飲む方が良いとも。もちろん解毒作用のあるハーブもありますが、体内に成分が蓄積するものもあるといいます。「○○だけ」というのは食品もハーブも良くないのね、ということに改めて気付かされました。
ハーブの症状別の効能やグレード分けを知りたいときは、事典や信頼できるネット情報を参考にした方がよいとも教えてもらいました。
スッキリ爽快&大人女子
私が選んだテーマは「すっきり爽快」と「大人女子免疫アップ」の2種類。アドバイスに従って、香りをかぎながら目的にそってブレンドするハーブを決めていきます。
ハーブの話をするYumikoさんはとても楽しそう。しかも、知識が半端なく、1つ1つの効能、香り、味わいなど、途切れることがありません。
キラキラオーラにうっとりしながら、私が選んだブレンドの配合は以下の通りです。色々な茶葉を使ってブレンドティーを作ります。
①高尾爽快ブレンド
効能=消化器官の不調対策、食後の消化を助ける
レモングラス=3g
レモンバジル=1.5g
レモンタイム=1.0g
ミカン=1.0g
ホワイトペパーミント=0.5g
②高尾大人女子ブレンド
効能=免疫力アップ、更年期障害の緩和
エキナセア=1.5g
ネトル=1.5g
バラ=1.0g
ラベンダー=1.0g
シナモンバジル=0.5g
マジョラム=0.5g
ハーブをブレンド
それぞれスケールで分量を量って筒状のカップに入れ、ハサミでちょきちょき細かくしていきます。ハーブってこうやって粉砕していくのね~。これは子どもと一緒にやっても楽しい手作業です(動画あり↓)
とはいっても根っからの不器用。結局は上手にできないので仕上げをしていただき、それぞれパックに入れて持ち帰りました。
完成品と使ったハーブはこちら↓↓左が高尾爽快ブレンド、右が高尾大人女子ブレンドです。
飲んでみた
自宅に戻って、早速、お茶を入れました。ポットに茶葉を入れて熱湯(85~90度)を注いでフタをして、3分ほど待ちます。
「高尾爽快ブレンド」はとにかく香りが爽やかです。色合いも軽やかで、クセのない味でゴクゴク飲めます。甘いお菓子とも合いますね。
「高尾大人女子ブレンド」は、ネトルの深い独特な香りが「大人」の雰囲気を醸し出します。ラベンダーが入っているので入れ立てはわずかに紫がかりますが、しばらくすると落ち着いた大人カラーとなり、ちょっとだけ高貴な気分にもなりました。“何となく”の不調も解消されそうです。
これらは、それぞれ1カ月を目安に飲みきると良いとされています。飲み切れないそ場合は、冷凍保存をすることで香りをキープできるそうです。
マジョラムの香りが好き
この日、色々なハーブの香りをかぐなかで「マジョラム」の香りに惹かれました。何となく甘く、シソ科特有の深みのある香り。ビンに鼻を突っ込み、何度も深呼吸してしまいました。
そのとき、Yumikoさんは多くを語りませんでしたが、後で調べると、マジョラムの効能は様々あるものの、「ストレスからくる頭痛に対して有効。自律神経系の乱れの緩和」とありました。
Yumikoさんのあのときの目は「この人、疲れてんな~」という労りの目だったのでしょうか。自分では無意識でしたが、あの香りに心奪われたということは、そうだったのかもしれませんね。かつて、胸にいっぱいマジョラムを抱えて「落ち着く~」と言っていた男性客もいたそうですが、その方は間違いなくお疲れだったと思います。
さて、今回の高尾小旅行とハーブの香りで自律神経は整ったし、新たな学びで脳も刺激され、充電MAXとなりました。知識の幅を広げ、学びの分散投資をすることは大切です。
ちなみに、マジョラムの花言葉は「常に幸福」。幸運の象徴で純愛を象徴する花です。私たちにも愛を分けてくれようと、ホームセンターの園芸コーナーでも売られているものなので、今度、意識して香りをかいでみようと思います(超怪しい人になるよな~)。自宅で育ててみてもいいな~と思っています。