皆さんは、自分の両親の初デートの場所をご存じですか。
そこで何をしたのか、聞いたことがありますか。
うちの両親の初デートの場所は上野だったそうです。
お互い埼玉に住んでいましたが、都内に勤務していたこともあり、上野で映画を見て食事をしたとのこと。何の映画だったか、どこで何を食べたのかは忘れたけど、父親が映画の途中で寝たことだけは覚えているとのことでした。
そんなことを今年の正月に初めて聞き、80歳を過ぎた両親にもそんなキラキラした時代があったんだと知りました。
また母親が子どもの頃、母親(私の祖母)に連れられてよく上野の聚楽(聚楽台)で食事をしたということも聞き、「それなら思い出の上野を巡って聚楽で食事をしよう」ということになり、2月の3連休の晴れの日、両親を連れて上野へ出かけたのでした。
上野公園はまだ花見の季節ではないのに、たくさんの人出。「昔、動物園でパンダちゃんを見たね」と、私が小さい頃の思い出話をしながら向かったのは、上野東照宮とぼたん苑。
東照宮の金ぴかの拝殿を見ると、老夫婦は「極楽浄土もこんなところなのかしら。ならイイわね〜」とボソボソ。ぼたん苑では、わらぼっちの下で鮮やかに花を開かせるぼたんに、「私を見て!って言ってるみたいね〜。ちゃんと見てますよ」と語りかけていました。
ランチは、駅前の聚楽。母が幼少の頃、よく通ったという聚楽台(当時の西郷会館内)はなくなってしまいましたが、こちらの聚楽は今も混んでいて15分ほど並びました。
聚楽といえば、マリリン・モンローのそっくりさんが「じゅらくよーん」というお色気CM(幼い私にはそう見えた)が印象的。今年で100周年だということで、大正時代の人が親しんだという記念メニューを展開しています。
父は懐かしのナポリタン、母はエビフライ定食、私はハムカツ、コロッケ、チキンと半熟卵がのったボリューム満点「8銭合い盛り丼」にチャレンジ。当然ながら食べきれず、残りは旦那にスライドしたのでした。
帰宅後、母からのLINEには「初めて行くところばかりで面白かった」とのメッセージ。変わってしまった上野に驚きすぎてノスタルジーに浸ることはできなかった、そんな気がします。