地元の小学校に11年ぶり
卒業式に呼ばれる来賓って、どんな人なんだろうと、ずっと不思議に思っていました。市長や市議会議員、地域に貢献する偉い人、ぐらいのイメージでしたが、まさか私が来賓になるなんて、思ってもみませんでした。
先日、息子も娘もお世話になった地元の小学校、今年度150周年を迎えた歴史ある小学校の卒業式に来賓として出席してきました。この学校の門をくぐるのは、娘の卒業式から実に11年ぶり。少し緊張しながら、校舎に足を踏み入れたのです。
コロナ明けで盛大に卒業生を送り出したいという学校、というか市の意向で、4年ぶりに集まった来賓は30人。市議会議員も10人近くもいました(それだけでも多い)。
私は昨年度から地域の委員を仰せつかっている関係で「地域の小中学校の入学式か卒業式に分担して出よう」というお達しの下、恐縮しながらの出席。自分の子ども(身内)以外の式に参加することはなかなかない経験だということで、恭しくも客観的な視点で落ち着いて、卒業生108人の晴れの門出を見守りました。
子どもたちはみんなよい子
校舎に入ると、あちこちから「おはようございます」の声が聞こえてきました。5年生が可愛らしく挨拶してきます。
“とりあえず挨拶”
が大事だと思っている私はそれだけでうれしくなります。
卒業生は、立派でした。卒業証書を受け取る姿は堂々と、誇りに満ちていました。彼らの姿を見て「この学校は教育がしっかりしてる」「子どもは宝、日本の未来は明るい」と希望をもらい、満ち足りた気分になります。
クライマックスは「在校生、卒業生のことば」。生徒1人ずつが一言ずつ言葉をつなぐリレー形式の送辞と答辞です。
在校生の言葉は「卒業生の皆さん」→「ご卒業」→「おめでとうございます」(全員で、おめでとうございます)から始まるやつ。
これは私が小学校のときから変わらないし、息子も娘の時もそうだったな。古き良き伝統は受け継がれていくもんなんだな、としみじみ。
ただ令和方式は、卒業生が壇上に背を向けて、3段に組まれたひな壇に上がり、全員の顔が見える形にしていた点。これは保護者も喜ぶなぁ。動画撮影タイムだよな~。
在校生の言葉が終わると、卒業生の言葉となり、1年生の時からの思い出を綴っていきます。ひとしきり思い出と、仲間への思い、家族や教師、学校への感謝、後輩たちに激励の言葉を贈ると、
ありがとう〇〇小学校
さようなら
さようなら
その後、♪「旅立ちの歌」の合唱となります。まだ変声期になった子も半分ぐらいなんでしょう。歌声が清らかで、ボーイソプラノもいて、透明感にあふれていました。
ほとんどの子は地元の中学に進学するので、みんなと離れ離れになるという感傷に浸る子もおらず、体を揺すりながら気持ちよさそうに、一生懸命に歌っていて、なんて明るい卒業式なんだと晴れ晴れとした気分です。親御さんたちはそんな我が子の姿を見て、グッときた人はいるかもしれませんが、すすり泣きも聞こえず、喜びいっぱいの式でした。
「何を着ていけばいいの?」
さて、そんな素敵な式を前に、私が2週間ほど悩んでいたのはびっくりするほど小さいこと、「来賓って、何を着ていけばいいの?」でした。
ネットで検索すると、意外に情報がないのです。
検索してようやく見つけたフレーズは「保護者や学校関係者とは違い、華やかに」。
華やかに? って何?
旦那の来賓服のイメージは「白のスーツ」。
結婚式じゃないから外野が白を着てもいいのか、と思ったものの、いや、それは目立ちすぎだよな~と却下。
クローゼットをひっくり返し、それらしき衣装を見返して、当日朝まで、気温や気分を加味して、結局選んだのは黒のパンツに白のブラウス、黒と白のツイードの丸襟のジャケットに、くすみパープルのコサージュ。結局、そつなくシンプルにまとめました。
会場で来賓の方々の服装を見ると、奇抜な方は1人もいません。ニットスーツの人とか、仕事着じゃないの? と思うようなスーツ姿の人もいて割と地味。いやー、良かった。間違えずに良かった。
そんな中でも、学校役員のお友達から「コサージュが華やかで素敵!」とお褒めの言葉をいただき、「華やかさ」をにじませることに成功したけど、このコサージュっていつ買った物なんでしょう…。
家に帰って、写真を見返していたら、なんと息子の卒業式につけているじゃありませんか?! なんと、15年前!! 物持ちの良さがここで生きた、処分しないで良かった。
時代を感じさせる卒業式の服
自分の服装もさながら、卒業生の衣装(服装)も楽しみにしていました。ファッションは地域性や時代を反映するものだと思っているからです。
15年前の息子のときは、男子のほとんどが地元中学校の学ランの上着を着ていました。息子は都内の私立中学に進学するため、みんなと同じではなく、あえてネクタイなしのカジュアルスーツで、抜け感で勝負しました笑笑。女子は個性豊かな子が多く、赤や緑といった原色を着ていた子が何人もいた記憶があります。
11年前の娘の時代は、AKB全盛期。女子はチェックのスカートと大きなリボンのAKBスタイルにするのが主流でした。うっかりすると、他人と被ってしまうので、可愛く目立つ、お気に入りのものをゲットしようとかなり前からリサーチを始めていた気がします。娘は黒白で揃えましたが、赤やピンクの子もいたように思います。
今年は、男子はほとんどがスーツだったのにびっくり。時代の違いですね。女子も制服の色目に近い、黒、紺、グレーのジャケットにスカートやパンツで、明るい原色はゼロ。令和5年度はシックな色合いが主流なのね。
袴姿はやはり目立つ
さて、最近では男女とも袴姿が増えたというので、それも楽しみでした。ただ、早朝からの着付けが大変で、学校によってはトイレ問題から禁止するところもあると聞いていましたが、この学校は禁止はしていないようで、男女合わせて数人、袴姿の子がいました。
やっぱり袴、和装は目立ちます。カッコいい。成長の早い女子だと、遠目から見ると先生のようです。
しかし、当たり前ですが、足元は上履き。息子や娘のときはつけていなかったけど、今は卒業式まで名札をつけないといけないんですね。
胸元に、ご卒業おめでとうの花リボンとちょっと曲がった名札。そこだけはちょっと残念でしたが、これが小学生らしさなのかなとも思いました。